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第13回 子どもの育児資金を親から援助してもらうお得な方法があるってホント?

今回の相談者は編集部Aの先輩Bさん。
子どもが生まれたのは良いのですが、思った以上に資金がかさむことが分かりました。どうしようかと悩んでいると、両親から資金援助しようと提案が。でも贈与税が心配です。ところが先日、会社の同僚から、「育児資金の贈与なら、贈与税がかからない」と聞きました。これは詳しく知りたいと、またまたリリ先生のもとを尋ねてきたようです。

Bさん
こんにちは、リリ先生。
リリ先生
Bさん。先月も来ていましたよね。最近、悩みが尽きないの?
Bさん
家族が増えるといろいろと物入りで(苦笑)。さっそく相談なんですが、子どもの教育資金のことです。親から資金を援助してもらえることになったんですが、その贈与税のことが心配になって…。
リリ先生
そういえば、子育てに使うなら贈与税が非課税になる制度がはじまったけど。
Bさん
あー、やっぱり!その内容も詳しく知りたくて今日はお邪魔しました。さっそくですけど、まずは贈与税について分かりやすく教えていただけませんか?
リリ先生
なんだか今日はぐいぐい来ますね(笑)。じゃ、さっそく贈与税がどういう仕組みになっているか解説しましょう。
Bさん
はい!
リリ先生
そもそも「贈与税」とは、個人から財産をもらったときにかかる税金のことです。原則として、年間110万円を超えた財産を受け取ると、受け取った人に贈与税がかかる仕組みとなっています。
Bさん
親から財産を受け取ったら、受け取った私に税金がかかるわけですね。
リリ先生
その通り。ただ、税金がかかるのは、贈与をする人一人当たりに年間110万円以上もらったときです。
Bさん
というと?
リリ先生
例えば、お母様から100万円もらい、お父様から10万円受け取っても、贈与税はかからないのです。
Bさん
そうなんですね。ちなみに、贈与税がかかるときは幾らくらいかかるんでしょう?
リリ先生
税額は受け取る財産の額と、財産を与える人との関係に応じて変わります。例えば500万円を贈与として受け取ると、48.5万円の贈与税がかかります(20歳以上の人が親から贈与を受けた場合を除く)。
Bさん
うーむ。贈与税って結構高いんですね。なんとか免除してもらう方法はないですか?
リリ先生
そこで利用できるのが、先ほどお伝えした非課税制度です。
Bさん
待ってました!どういう制度ですか?
リリ先生
今年の4月からはじまった「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」というもので、若年層の結婚や子育てを応援するための制度です。
Bさん
どういう内容なのでしょう?
リリ先生
祖父母や両親が、20歳以上50歳未満の子や孫に、結婚や子育てのための資金を贈与する場合には贈与税がかからなくなるというものです。
Bさん
幾らくらいまでなら贈与税がかからないのでしょうか?
リリ先生
子や孫ごとに1000万円までで、そのうち結婚関係で支払われるものに関しては、300万円まで贈与税がかからないようになっています。ただし、子や孫が50歳に達した日に使い残しがあれば、贈与税がかかることになります。
Bさん
ふむふむ。これはもっと詳しく知りたいぞ。そうだ。具体的に、どんな使い道なら非課税の対象になるか教えていただけますか?
リリ先生
非課税の対象となるのは、出産費用、子どもの予防接種、保育園、幼稚園、ベビーシッターに払う費用などです。ちなみに、結婚関係だと、挙式や結婚披露宴の費用、会場費、新居の家賃、敷金、共益費、礼金、仲介手数料代、契約更新料、引っ越し代などです(※)。
※結婚に関係する費用については、入籍から1年以内に支払ったものなど期限があります)
Bさん
なるほど、子育てに関してはぼくの状況にぴったり合います!ちなみに、こういった贈与税の非課税制度はほかにもあるんですか?
リリ先生
曽祖父母、祖父母、父母などから、30歳未満のひ孫、孫、子どもへ教育資金を贈与した場合には、受け取る人一人につき1500万円まで贈与税が非課税となる制度もあります。これは「教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置」というもので、2019年3月末までの措置となっています。
Bさん
おお、この制度も助かりますね。ちなみに、こういった制度を利用するときに注意点はありますか?
リリ先生
結婚や子育て資金の一括贈与や、教育資金の一括贈与での非課税措置を利用するためには、金融機関で手続きが必要です。
Bさん
というと?
リリ先生
贈与する人は、資金を信託銀行に預け、受け取る人は銀行の窓口で払い出しの請求をしないとお金を受け取れないんです。また、請求時には、お金の使い道が分かるように請求書や領収書を提出する必要があります。
Bさん
わあ、けっこう不自由ですね。
リリ先生
さらにこの制度を利用して贈与すると、お金を渡す側は資金を一括で金融機関に預けるため、贈与を途中でやめることができません。そのあたりにも注意が必要かもしれませんね。
Bさん
なるほど。いろいろ手続きは大変そうだけど、でもやっぱり贈与税がかからないのはありがたいな。ぜひ利用してみようと思います。リリ先生、今日はありがとうございました!

今回のまとめ
  • 贈与税とは、個人から財産をもらったときにかかる税金のこと。原則として、年間110万円を超えた財産を受け取ると、受け取った人に贈与税がかかる。
  • 贈与税の税額は、受け取る財産の額と財産を与える人との関係に応じて変わるが、税率は10%から55%までとなっている。
  • 2015年4月から「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」が施行。祖父母や両親が、20歳以上50歳未満の子や孫に、結婚や子育てのための資金を贈与する場合には1000万円まで贈与税がかからなくなった。
  • 曽祖父母、祖父母、父母などから、30歳未満のひ孫、孫、子どもへ教育資金を贈与した場合、一人につき1500万円まで贈与税が非課税となる「教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置」もある。
  • こういった結婚・子育て資金や、教育資金の贈与による非課税措置を利用するためには、金融機関での手続きが必要なので注意したい。
ファイナンシャルプランナー 加藤梨里

ガイドProfile

加藤梨里(Lili Kato)

マネーステップオフィス株式会社 代表
ファイナンシャルプランナー(CFP®認定者)
マネーマネジメントコーチ
金融知力インストラクター
保険会社、信託銀行勤務を経てファイナンシャルプランナーに。
金融教育機関や生涯学習センターなどでセミナー講師を務めるほか、
日本FP協会での相談業務や金融教育授業にも多数携わっている。

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